
業務プロセスの一部を上流から下流まで請け負うプロ集団、BPO。
コールセンターのBPOとは、業務プロセスを外部の専門企業に委託する経営戦略です。 単に業務の一部をアウトソーシングするのとは違い、企画設計から実行・分析・改善までをまとめてまかせる点に特徴があります。
この記事では、コールセンターにおけるBPOの基礎知識から、アウトソーシングとの明確な違い、具体的な業務範囲、導入のメリット・デメリット、そして自社に合ったサービスの選び方までを網羅的に解説します。
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もくじ
- コールセンターにおけるBPOの基礎知識
- BPOで委託可能なコールセンターの主な業務範囲
- コールセンター業務をBPO化する5つのメリット
- BPO導入前に知っておきたい3つのデメリット
- 失敗しないコールセンターBPOサービスの選び方
- まとめ
- BPO事業にもおすすめなコールセンターシステム「BlueBean」
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コールセンターにおけるBPOの基礎知識
コールセンターBPOは、単なる業務代行サービスとは一線を画し、業務プロセスの見直しや効率化まで踏み込む事業です。 多くの大手企業がこの市場に参入し、競争を通じてサービスの質が向上しています。
コストの関係から近年国内市場だけでなく海外拠点を活用するBPOも増えており、企業はコスト削減や多様な人材活用の選択肢を得ています。 市場シェアを伸ばすBPOサービスは、専門的な知見を活かして企業の課題解決に貢献する戦略的パートナーとして位置付けられています。
BPOとアウトソーシングの明確な違い
コールセンターに限った違いを説明します。
アウトソーシングが特定の業務、たとえば電話応対そのものだけを切り出して外部に委託するのに対し、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)はより広範な領域を対象とします。 一方、BPOでは電話応対に加え、オペレーターの採用・育成、応対品質の管理、業務フローの設計、データの分析、改善提案といった業務プロセス全体を一括して委託するのが一般的といえます。
つまり、アウトソーシングは「業務の実行」を、BPOは「業務プロセスの運営と改善」を委託するという点に明確な違いがあります。 委託範囲の広さと、業務効率化や品質向上にまで踏み込む戦略的な関与の度合いが、両者を区別する重要なポイントです。
BPOで委託可能なコールセンターの主な業務範囲
コールセンターBPOで委託できる業務は、顧客からの電話を受けるインバウンド業務から、企業側から発信するアウトバウンド業務、さらにはメールやチャット対応まで多岐にわたります。 大手企業も多様なBPOサービスを提供しており、その業務範囲はオペレーターの実務に限りません。
オペレーターの教育や品質管理、顧客情報のデータ入力といった付随業務も委託対象です。 ここでは、委託可能な業務の一覧を具体的に紹介します。
顧客からの問い合わせに対応するインバウンド業務
インバウンド業務とは、顧客からの電話を受ける業務全般を指します。 具体的には、商品やサービスに関する一般的な問い合わせ窓口、ECサイトなどの注文受付センター、各種サービスの予約受付などが挙げられます。
さらに、専門的な知識が求められるPCやソフトウェアのテクニカルサポート、迅速かつ正確な対応が必要な製品のリコール窓口、複雑な料金プランや契約内容を扱う通信サービスのカスタマーサポートなどもBPOの対象となります。 これらの業務を専門のベンダーに委託することで、高品質な応対を安定的に提供し、顧客満足度の向上を図ることが可能になります。
新規顧客獲得を目指すアウトバウンド業務
アウトバウンド業務は、企業側から顧客や見込み客へ能動的に電話をかける活動を指します。
主な目的は、新規顧客の獲得や販売促進になります。 例えば、BtoCやBtoBの商材の提案や、商談の機会を創出するテレアポ(テレフォンアポイントメント)業務が挙げられます。
また、既存顧客に対して新商品やキャンペーンを案内するテレマーケティング、市場調査や顧客満足度を把握するためのアンケート調査なども含まれます。 BPOを活用することで、経験豊富なオペレーターによるアプローチが可能となり、マーケティング活動の一環として売上向上に直接貢献する成果が期待できます。
メールやチャットを活用したノンボイス対応業務
近年、電話以外のコミュニケーション手段を好む顧客が増加しており、ノンボイス対応の重要性が高まっています。 ノンボイス業務には、企業の公式ウェブサイトからの問い合わせフォームやメールへの返信、リアルタイムで顧客の疑問を解決するチャットサポート、SNSのダイレクトメッセージを通じた顧客対応などが含まれます。 これらのテキストベースのコミュニケーションは、顧客が時間や場所を選ばずに問い合わせできることからCX向上を実現できます。
BPOベンダーは、複数のネットワークチャネルを一元管理するシステムやノウハウを持っており、効率的かつ質の高いノンボイス対応体制を構築することが可能です。
オペレーターの育成や応対品質の管理
コールセンターのパフォーマンスは、各オペレーターのスキルに依存するため、育成と品質管理は極めて重要な業務です。 BPOサービスでは、こうした人材マネジメント業務も委託できます。
具体的には、新人オペレーター向けの研修プログラムの策定と実施、業務マニュアルやトークスクリプトの作成・定期的な更新、実際の通話内容を評価するモニタリングと、それに基づくフィードバック面談なども含まれます。
専門的なノウハウを持つBPOベンダーにこれらの業務をまかせることで、応対品質を高いレベルで標準化。 センター全体のサービス水準を継続的に向上させることができます。
顧客情報の入力や集計などの付随業務
コールセンターの運営には、顧客との直接的な対話以外にも様々な付随業務が発生します。 例えば、問い合わせ内容や顧客情報をシステムへ正確に入力するデータエントリー作業、日次や月次の応対件数、応答率などを集計し、レポートを作成する業務などが挙げられます。 これらのバックオフィス業務は、正確性と迅速性が求められる一方で、定型的であることが少なくありません。
こうした付随業務をBPOに委託することで、オペレーターは本来の顧客対応に集中できるようになり、センター全体の生産性が向上します。 また、蓄積されたデータの分析を通じて、業務改善のヒントを得ることも可能です。
コールセンター業務をBPO化する5つのメリット
コールセンター業務にBPOを導入することは、企業にとって多くの利点をもたらします。 専門性の高い応対による顧客満足度の向上はもちろん、採用や教育に関わるコストの削減、非効率な業務プロセスの見直しができます。
さらに、自社の従業員をノンコア業務から解放し、本来注力すべきコア業務へ集中させることができます。 24時間365日対応といった受付体制の強化も実現しやすくなり、企業競争力を高める有効な手段となり得ます。
メリット1:専門性の高い応対で顧客満足度が向上する
BPOベンダーはコールセンター運営のプロフェッショナルであり、長年の経験を通じて培った豊富な知識とノウハウを保有しています。 高度な研修を受けたオペレーターが、適切で丁寧な言葉遣いや傾聴スキルを駆使して顧客対応にあたるため、応対品質の向上が期待できます。
また、様々な業界での実績から得た知見を活かし、効果的なFAQやトークスクリプトを構築することで、問題解決率の向上を実現します。 結果として、顧客の疑問や不満を迅速に解消し、企業や商品に対する信頼感を醸成することで、顧客満足度の向上に直接結びつきます。
メリット2:採用や教育にかかるコストを削減できる
自社でコールセンターを運営する場合、オペレーターの募集広告費、採用担当者の人件費、入社後の研修費用、教育担当者の工数など、多くのコストと時間が必要になります。 特に、人材の定着が難しい業界では、これらのコストが継続的に発生し、大きな負担となりがちです。
BPOを導入すれば、人材の採用から育成までを全て委託先が担うため、これらのコストを大幅に削減することが可能です。 また、繁忙期や閑散期に応じた人員の調整もベンダー側で行うため、人件費を固定費から変動費へと転換し、無駄なコストを抑えながら柔軟な運営を実現します。
メリット3:業務プロセス全体の見直しで効率化を図れる
BPOのメリットは、業務代行に留まらず、業務プロセスそのものの改善提案を受けられる点にあります。 BPOベンダーは、数多くの企業のコールセンターを運営してきた経験から、非効率な業務フローやボトルネックとなっている課題を客観的な視点で洗い出します。
その上で、最新のCTIシステムの導入、FAQコンテンツの最適化、応対マニュアルの刷新といった具体的な改善策を提案・実行します。 これにより、応答率の向上や平均後処理時間の短縮といった指標が改善され、コールセンター全体の生産性向上と業務効率化が実現します。
メリット4:自社の従業員は本来のコア業務に集中できる
多くの企業にとって、コールセンター業務は事業運営に不可欠であるものの、直接的な利益を生み出すコア業務ではありません。 顧客対応やオペレーターの管理、システムメンテナンスなどに自社の従業員が時間を費やしていると、本来注力すべき業務が疎かになってしまいます。
コールセンター業務をBPOによって専門家へ一任することで、これまで対応に追われていた従業員を解放し、商品開発やマーケティング、営業戦略の立案といった、企業の成長に直結するコア業務へリソースを再配分できます。 これにより、企業全体の生産性と競争力を高めることが可能となります。
メリット5:24時間365日対応など受付体制を強化できる
顧客のライフスタイルが多様化する中で、夜間や休日でも問い合わせができる窓口の需要は高まっています。 しかしながら、自社で24時間365日対応の体制を構築するには、深夜勤務に対応できる人材の確保や労務管理、追加の人件費などの様々な課題が伴います。
BPOベンダーは、複数の拠点や大規模な人員を活用することで、こうした広範な対応体制を提供できます。 24時間対応を実現することにより、顧客はいつでも安心して問い合わせができるようになり、利便性が大幅に向上します。 これは顧客満足度の向上だけでなく、機会損失の防止にもつながります。
BPO導入前に知っておきたい3つのデメリット
コールセンター業務のBPO化は多くのメリットをもたらす一方で、導入前に理解しておくべきデメリットも存在します。 顧客対応のノウハウが社内に蓄積されにくい点や、外部に機密情報を預けることによる情報漏洩のリスクは無視できません。
また、マニュアル化が難しい緊急時のイレギュラーな事態が発生した際に、迅速な対応が困難になる可能性もあります。 これらの課題を事前に把握し、対策を検討することがBPO導入を成功させる鍵となります。
デメリット1:社内に顧客対応のノウハウが蓄積されにくい
コールセンター業務を全面的に外部委託すると、顧客からの問い合わせ内容や頻繁に発生するトラブル、製品・サービスに対する意見といった「顧客の生の声」に自社の従業員が直接触れる機会が減少します。 これにより、顧客対応のスキルや問題解決の知見、さらにはサービス改善につながる貴重な情報が社内に蓄積されにくくなる可能性があります。
この課題を回避するためには、BPOベンダーと密に連携し、定期的なレポートやミーティングを通じて顧客の声を社内にフィードバックする仕組みを構築することが重要です。外部の専門性を活用しつつ、社内での情報共有とノウハウ蓄積をすることが大切です。
デメリット2:外部委託による情報漏洩のリスクが発生する
BPOの導入にあたっては、顧客の氏名や連絡先といった個人情報、さらには企業の機密情報を外部の委託先企業と共有する必要があります。 そのため、情報漏洩のリスクは避けられません。 委託先のセキュリティ管理体制が脆弱な場合、万が一情報が漏洩すれば、顧客からの信頼を失い、企業の存続に関わる重大な問題に発展する恐れがあります。
このリスクを低減するためには、委託先を選定する際に、プライバシーマークやISMS認証といった第三者認証の取得状況を確認することが不可欠です。 また、具体的なセキュリティ対策の内容について詳細な説明を求め、契約書で情報管理に関する責任範囲を明確に定めておく必要があります。
デメリット3:緊急時のイレギュラーな対応が難しい場合がある
BPOベンダーのオペレーターは、事前に定められたマニュアルや業務フローに基づいて対応を行うのが基本です。
そのため、製品の重大な不具合や大規模なシステム障害といった、マニュアルに記載のない想定外の事態が発生した場合、画一的な対応に終始し、柔軟な判断が難しいことがあります。 委託先では対応可否の判断に時間を要し、エスカレーションの過程で顧客を待たせてしまう可能性も考えられます。
このような事態に備え、事前に緊急時の連絡体制、情報共有のフロー、委託先が持つ権限の範囲などをBPOベンダーと詳細にすり合わせ、明確なルールを策定しておくことが極めて重要です。
失敗しないコールセンターBPOサービスの選び方
コールセンターBPOの導入を成功させるためには、自社の目的と課題に合致したサービスを慎重に選ぶことが不可欠です。 選定時には、まず委託したい業務を漏れなくカバーできるかを確認し、次にオペレーターの応対品質を導入実績などから客観的に判断します。
さらに、顧客情報を預ける上で万全なセキュリティ対策が講じられているかのチェックは欠かせません。 最後に、提供されるサービス内容と費用が見合っているかを見極め、自社にとって最適なパートナーを見つける必要があります。
委託したい業務をすべてカバーできるか確認する
BPOベンダーを選定する最初のステップは、自社が委託を希望する業務範囲を明確にし、それに対応可能かを確認することです。 ベンダーによって得意な分野は異なり、インバウンドのカスタマーサポートに強みを持つ企業もあれば、アウトバウンドのセールス支援に特化した企業も存在します。 例えば、テクニカルサポートや多言語対応、深夜対応など特殊な要件がある場合は、それらに対応できる体制と実績があるかを必ず確認しましょう。
将来的に業務範囲を拡大する可能性も視野に入れ、自社の成長に合わせて柔軟にサービスを拡張できるかどうかも重要な選定基準となります。
オペレーターの応対品質が高いか導入実績で判断する
コールセンターの品質は、最終的にオペレーターの応対によって決まります。 そのため、ベンダーの品質管理体制を見極めることが重要です。
品質を判断する客観的な材料として、これまでの導入実績、特に自社と同じ業界や類似業務での実績が豊富かどうかを確認します。 豊富な実績は、業界特有の専門知識やノウハウを蓄積している何よりの証左となり得ます。 また、オペレーターの研修制度の内容、応対品質をチェックするモニタリングの頻度や評価基準、フィードバックの仕組みなどを具体的にヒアリングすることで、品質維持・向上への取り組み姿勢を評価することができます。
万全なセキュリティ対策が講じられているかチェックする
顧客の個人情報や企業の機密情報を外部に預けるBPOでは、セキュリティ対策が最も重要な選定基準のひとつとなります。 情報漏洩などの事故を未然に防ぐため、委託先がどのようなセキュリティ体制を構築しているかを厳しくチェックする必要があります。 例えば、客観的な「プライバシーマーク」や情報セキュリティの国際規格である「ISMS(ISO/IEC27001)」などの第三者認証を取得しているかを確認します。
それに加え、オペレーションルームへの入退室管理といった物理的対策、データ暗号化やアクセス制限などの技術的対策、従業員へのセキュリティ教育といった人的対策について、具体的な取り組み内容をヒアリングし、信頼性を判断します。
提供されるサービスと費用が見合っているか検討する
BPOの料金体系は、対応件数に応じた従量課金制、席数に応じた月額固定制など様々です。 提示された費用だけで単純に比較するのではなく、その費用でどのようなサービスが提供されるのか、その内容が自社の求めるレベルに見合っているかを精査することが重要です。 例えば、一見安価に見えても、分析レポートの提供がなかったり、業務改善提案が含まれていなかったりする場合があります。
逆に、費用が高くても、それが高度な専門性や付加価値の高いサービスによるものであれば、長期的な視点で見るとコストパフォーマンスが高いと判断できます。 複数のベンダーから詳細な見積もりを取り、サービス内容と費用を総合的に比較検討することをおすすめいたします。
まとめ
コールセンターのBPOは、業務の一部を切り出すアウトソーシングとは異なり、業務プロセス全体を外部の専門家に委託する包括的な経営手法です。 これを活用することで、専門性の高い応対による顧客満足度の向上、採用・教育コストの削減、ノンコア業務からの解放による自社リソースの最適化といったメリットを享受できます。一方で、社内にノウハウが蓄積されにくい点や、情報漏洩のリスクといったデメリットも存在します。
導入を成功させるためには、これらの特性を理解した上で、自社の課題を解決できる業務範囲、品質、セキュリティ、費用対効果を兼ね備えたBPOサービスを慎重に選定することが求められます。
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