コールセンターは電話越しの顧客に対して、適切・丁寧・迅速な応対が求められる職場です。
それゆえ、顧客とのやり取りが適切であったかを常に分析し、より顧客満足度が高くなるよう努めなければなりません。

そこで今回は、顧客対応が適切であったかを測る指標である、「応対品質」を向上させる方法について解説します。

1.コールセンターにおいて「応対品質」とはどのようなものなのか

対応スキル 画像①

応対品質とは?

応対品質とは、顧客からの問い合わせに対して適切な対応ができているかを測る指標です。

応対品質の基準はさまざまですが、以下の項目を重視しているコールセンターが多い印象です。

・適切な言葉づかいができているか
・一般的なマナーを守っているか
・顧客の問い合わせを理解できているか
・迅速に回答ができているか
※応対品質の基準は、扱っている商品やサービス、アウトバウンドとインバウンドなどの違いによりコールセンターごとで異なります。

応対品質の管理はSVや品質管理担当者がオペレータのコール内容をモニタリングして判断します。

さきに挙げた言葉づかいなどの基準にくわえ、ATT(平均処理時間)やCPH(オペレータひとりが1時間で対応できる件数)、ACW(通話後に行っている作業時間)などの数値化できる指標を参考値とするケースもあります。

2.応対品質はオペレータに最も求められるスキルである

「コールセンター白書2020」によると、オペレータに最も求められるスキルを聞いたアンケートでは以下の結果が出ています。

図表① オペレータに最も求めたいスキル

●出典:月刊コールセンタージャパン編集部/『コールセンター白書2020』/株式会社リックテレコム/東京/2020.10.16/P71

この結果からわかるように、現場のオペレータには高いコミュニケーション能力(ホスピタリティ)が求められています。

ホスピタリティは「もてなし・おもいやり」などと略される言葉です。

顧客の問い合わせに適切な対応をするには、問題を自分ごととしてとらえ、親身になって解決に努める姿勢が必要となります。

顧客一人ひとりと真剣に向き合い、迅速かつ適切な対応をするスキルが現場のオペレータに求められているといえるでしょう。

3.応対品質を向上させる具体的な方法

対応スキル 画像②応対品質を向上させる方法をいくつかご紹介します。
管理者、オペレータ双方の目線で施策を考え、自社に適切な方法を検討するとよいでしょう。

①オペレータのモチベーションを保つ施策を検討する

応対品質を向上させるには、オペレータのモチベーションを保つ施策を講ずる必要があります。

モチベーションの低下は応対品質の低下だけでなく、オペレータの離職につながる危険性をはらんでいることから、コールセンター運用において大きな課題です。

「コールセンター白書2020」で実施された、離職予防施策を聞いたアンケートによると以下の結果となっています。図表② 実施した離職予防施策

※2019年(n=220)、2020年(n=194)
●出典:月刊コールセンタージャパン編集部/『コールセンター白書2020』/株式会社リックテレコム/東京/2020.10.16/P64

これらの施策は、離職対策以外にもオペレータのモチベーション維持のために行われている側面が強く、各企業が思考を凝らし工夫している様子がうかがえます。

しかし、これらの施策を講ずるタイミングや適切な回数を検討しなければ、「表彰をもらっても意味がない」「時給も少ししか上がらない」など、あらたな不満を生み出すきっかけとなってしまうため注意が必要です。

②業務研修に時間をかける

応対品質を向上させるには、業務研修によってオペレータの知識を底上げする必要があります。

「応対品質はオペレータに最も求められるスキルである」の章で紹介したアンケート結果によると、コミュニケーション能力(ホスピタリティ)のほかに、「専門知識」「問題解決能力」と答えた割合が高くなっています。

提供している商品やサービスに関わる専門知識が深くなければ、顧客を問題解決に導くことはできません。

そのため、業務研修を定期的に実施し、時間が許す限りオペレータの疑問に回答できる環境整備が求められます。

「専門知識」や「問題解決能力」を高めるにはオペレータ独自の努力だけでは限界があります。
オペレータ全体の知識や対応スキルを向上させるためにも、いまいちど研修方法や実施回数を検討してみるとよいでしょう。

③定期的なモニタリングとフィードバックを行う

定期的なモニタリングと適切なフィードバックの実施が応対品質を高めます。

その理由としては以下のようなものがあります。

・オペレータが間違いやすい項目をピックアップしマニュアルやFAQなどに反映できる
・フィードバックによるアドバイスはオペレータの苦手意識を取り除く効果がのぞめる
・モニタリング回数を増やすことで時間帯ごとの入電傾向が把握できる
・適切なフィードバックによってオペレータのモチベーション向上が期待できる 

など

例えば、週に1度しかモニタリングを実施しないケースと、毎日1回モニタリングを実施するケースでは、センター全体やオペレータ一人ひとりの状況を把握する目的としてどちらが適切でしょうか?

これは間違いなく後者ですよね。

モニタリングを行う時間帯や件数などを検討しなくてはいけませんが、実施回数を増やすことで正確な現場の状況を把握できるようになり、オペレータに対してより適切なフィードバックが可能となります。

④システムを活用し客観的な数値による品質管理を行う

応対品質を高めるには品質の管理をどのように行うかが課題となります。
というのも、応対品質は明確な数字が出る指標ではないため、どうしても管理を行うSVなどの主観が入ってしまうためです。

そこで活躍するのがコールセンターシステムです。

顧客情報を管理できるCRMやオペレータの通話回数・稼働率を集計できるレポート機能などをうまく活用することで、客観的な数値が算出でき、より精度の高い応対品質管理が実現できます。


これらのシステムを活用することで、応対品質の主観による管理を防ぎ、だれが見てもわかるかたちで客観的な視点から品質管理ができるようになります。

4.応対品質の向上はオペレータと管理者がともに考えていくべき課題である

対応スキル 画像③

応対品質は管理者だけでもオペレータだけでも向上させることはできません。

しかしながら、管理者はオペレータにオペレータは管理者に対して、片方の努力のみを求めている場面があります。
もちろん、そのような状態では応対品質の向上は見込めません。

管理者はもっとオペレータの話しを汲み取り、オペレータは管理者がなにを考えているのかをしっかりと理解する。
そうすることで、認識のずれや意識の違いを修正できます。

管理者とオペレータがともに考え一丸となって行動する姿勢が、応対品質向上に必要不可欠なのです。

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BlueBeanは、インアウト両業務対応のクラウド型コールセンターシステムです。
「④システムを活用し客観的な数値による品質管理を行う」でご説明した数値での管理についてはオペレーターレポートより確認することができます。

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