インバウンド業務を行うコールセンターでは、今後の運営方法を考えるKPIの一つとして、応答率を重視しています。
そのため、現場を任されている管理者も、日ごとの目標応答率を達成できるかドキドキしていることでしょう。

この記事では、インバウンド業務で応答率をあげる方法を解説します。
現場で発生しているさまざまな問題と照らし合わせながらご覧ください。

1.応答率とは

 

応答率とは、「顧客からの着信のつながりやすさ」をあらわす指標です。インバウンド業務において応答率が低い状態は、顧客からのお問い合わせに対応できていないことを意味します。
この場合、顧客満足度の低下やクレームの発生など、さまざまな問題の発生リスクが高まります。

2.応答率の計算方法 

多くのコールセンターが応答率90%を目安に運用しており、90%を下回るときは
入電数>対応が可能なオペレーター数の状態におちいっています。
日々の目標値達成に向けて、手動でもすぐに応答率の算出ができるよう、計算式を覚えておきましょう。

応答率は、以下の計算式で求められます。

応答率(%) = 対応数(本) ÷ 入電数(本) × 100

応答率の集計は、できるだけこまめに記録するようにしましょう。

その理由として、応答率はコールセンターの「つながりやすさ」を計る指標ですから、1日の間に1回でも目標値以下になる時間帯があってはいけません。

こまめに記録を取ることで未達時の原因を特定でき、効率の改善につなげられます。

3.応答率がさがる原因とは

応答率がさがる原因は各コールセンターによってさまざまですが、主に以下のようなものがあります。

1)オペレーターが不足している
応答率がさがる原因のひとつとして、オペレーターの数が不足していることが考えられます。受電できるオペレーターの数がそろっていない状態では、待ち呼が発生していても対応ができません。

2)作業効率がよくない
入電の多い時間帯に休憩へ出している、オペレーターの対応時間が目標値より超過しているなど、作業効率がよくないと待ち呼の取りこぼしが発生しやすくなります。

3)オペレーターのスキルが偏っている
特に高度な専門性を要するテクニカル窓口等は、オペレーターのスキルが偏っていると、入電が集中したときに対応しきることが困難です。
その結果、折り返し架電の割合が増えてしまい、1次受電の応答率をさげる原因につながります。

4.応答率をあげる具体的な方法

応答率をあげるためには、作業効率を向上させる必要があります。

作業効率を向上させるために取り組むべき具体的な方法は、主に以下の2つです。

対応が可能なオペレーターを増やす

応答率が低下しているコールセンターの多くは、入電数より、対応が可能なオペレーターの数が少ない状態になっています。
そのため、後処理や離席中など、すぐに受電が難しいオペレーターが多くならないよう、対応が可能な人員を増やす必要があるのです。

取り組める施策として、以下のものがあげられます。 

(1)休憩時間をずらす
(2)後処理を中断させ受電に入れる
(3)マルチタスクを持つオペレーターを育成する

上記(1)と(2)は、現場判断で行える即効性の高いもので、ともに待ち呼が多いときに有効です。入電状況を正確に分析したうえで現場を指揮する必要があるため、すこし経験が必要になります。また。この方法は指示を行うタイミングが難しく、誤った判断をしてしまうと、オペレーターの休憩をうまく回せなくなる可能性があります。そのため、常に現場の状況を冷静に分析できる視点が必要です。

また、(3)のマルチタスクを持ったオペレーターの育成については、マルチタスクにより対応可能な業務範囲が広くなるため、待ち呼が発生した際の取りこぼしを減らせます。

システムを用いる

応答率をあげるために活用できるシステムの種類はさまざまですが、その中からとくに効果的なものを3つご紹介します。

(1)CRM連携を用いた顧客情報の管理・閲覧

CRM(顧客情報管理システム)を用いて顧客情報の管理や閲覧をすることで、対象顧客の情報を簡単に検索でき、折衝履歴や次回架電予定などを事前に把握できます。
また、着信時に、画面上へ着信者の情報をポップアップ表示させる機能が搭載されているため、迅速な顧客対応を実現できます。

(2)IVR(音声自動応答)

IVRを用いることで、顧客の要件をあらかじめ簡易選別でき、専門部署や専門オペレーターへの誘導が容易になります。また、顧客が選んだ番号によっては、クライアント直轄の窓口へ外線転送もできるため、すべての受電に対応しなくてよいというメリットがあります。

(3)ACD(着信呼自動分配装置)

ACDは特定の条件のもと、オペレーターへ入電を分配していく機能です。分配する条件には、オペレーターのスキルごと・待ち時間・着信回数順など、状況にあわせた優先度の設定が可能です。
業務状況や内容によって設定を切り替えられるため、待ち呼の処理を優先できます。

5.応答率をあげるには日々の改善がカギとなる

 

応答率をあげるには、必要に応じた施策を講じなければなりません。現場ですぐに実践できる短期的なものから、人材育成などの中長期的なものまで、その種類は多岐にわたります。

事業所ごとに必要となる施策は異なりますが、こちらでご紹介した方法を実践しながら少しずつ自社にあったかたちへ修正してみてください。

日々の挑戦と改善が、応答率をあげるカギとなってくれるでしょう。

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BlueBeanは、クラウド型のコールセンターシステムです。
「②システムを用いる」でご紹介した「CRM連携」「IVR」「ACD」の機能はもちろんのこと、時間ごとの応答率レポートのダウンロードやオペレーターレポートなど、インバウンドでもアウトバウンドでもご利用いただける機能が標準搭載されております。
無料デモ環境もご利用いただけますので、一度お試しください。

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