インバウンドのコールセンターを立ち上げる過程の中で、重要なのがコールフローの作成です。

コールフローとは、顧客からの着信をどのように流し、どこ(誰)が対応するかまでを一連の流れとして書き起こしたものです。
コールフローを作成しておけば最低限必要な機能がわかり、運用の見直しが必要な場合にも役立ちます。

コールフローを作成する中で重要なコールセンターシステムの機能がIVRACDになります。この2つの機能を利用する事でユーザビリティや業務効率の向上が図れるコールフローの作成ができます。

全体像
着信コールフロー内で利用されているコールセンター機能

今回は、主にIVR機能にかかわるインバウンドコールセンター構築に重要なコールフローの作成方法を解説します。

1.利用する電話番号の数と用途を確認

コールフローを作成する前に社内で以下2点をご確認ください。

・すでに電話番号が用意されているか
・用意されている場合はどのような用途を想定したものか

これは使える電話番号がいくつあり、どんな電話番号(フリーダイヤルや市外局番)なのかによって、コールフローの構成を考える必要があるためです。

まだ電話番号が用意されていない場合は、「2.窓口を検討」からご確認ください。

2.窓口を検討

どのような窓口をいくつ作るか検討します。検討する項目としては以下になります。

➀顧客の利便性
②オペレーターの対応能力
③窓口の対応時間

➀顧客の利便性

顧客はコールセンターに電話した時、すぐオペレーターに繋がり、すぐ回答がもらえることを望みます。

コールフローを書くと以下のようになります。

顧客の理想

また、電話に出たオペレーターがすべての問合せにすぐ回答できる必要が出てきます。

対応する全てのオペレーターがすべての問合せにすぐ回答できる状況は理想ですが、現実的ではありません。
そこで、分岐を作りなるべく早く回答ができるオペレーターに着信呼が流れるようにコールフローを作成していきます。

ただ、顧客は「すぐ繋がってすぐ回答が欲しい」ので、分岐が多すぎるとオペレーターに繋がる前に切電してしまうリスクがあることを忘れないでください。

②オペレーターの対応能力

早く回答ができるオペレーターに繋がるように分岐を作成します。

まず、窓口をどのように分けるか検討します。

例えば、新規顧客の問合せも既存顧客の問合せも同じ電話番号で運用をしていたが、入電量が多くなり本来の業務が回らなくなる人が出てきた。そのため、サポートの部署を新設し既存問合せはサポート部が対応したいという背景があったとします。

その場合、窓口は「新規窓口」と「既存窓口」を設置する必要があります。

【電話番号が2つの場合のコールフロー例】

電話番号2つ分岐なし

【電話番号が1つの場合のコールフロー例】

電話番号1つ分岐1つ

 

また、既存窓口の問合せ内容が多岐にわたり、オペレーターの対応能力がバラバラな場合は、既存窓口の後ろにさらに「契約の変更」「解約」「操作方法」など窓口を追加する必要があるかもしれません。

【電話番号が2つの場合のコールフロー例】

電話番号2つ分岐1つ

【電話番号が1つの場合のコールフロー例】

電話番号1つ分岐2つ

上記コールフローを見ていただくとわかりますが、分岐があるところはガイダンスを入れる必要があります。

このように、オペレーターの対応能力や研修内容によって窓口の追加を検討していきます。そうすることで、顧客からの問合せを出来る限り早く回答できるオペレーターに着信が流れるようコールフローを作成することができます。

窓口を増やす場合のメリットとデメリット及び注意点は後ほど解説します。

③窓口の対応時間

窓口の役割が決まったら、それぞれの窓口の営業時間、営業日、営業時間外の対応を確認します。

注意していただきたいのは、分岐を作った場合は窓口ごとにそれぞれ設定することが出来ますが、分岐がない場合は同じ営業時間、営業日、営業時間外の対応になります。
窓口によって対応時間が異なる場合は分岐を作り窓口を増やす必要があります。

【分岐がない場合】

顧客理想稼働時間

【分岐がある場合】

電話番号1つ分岐2つ営業時間

ただし、コールセンターシステムによっては、上記のような対応が出来ないケースもあるので事前に確認してください。

3.窓口を増やす場合のメリットとデメリット

窓口を増やすとメリットもありますが、デメリットもあります。
業務内容に合わせてどちらをとるか検討してください。

窓口を増やすメリット

コールセンターシステムのACDの機能には、オペレーター毎にどの窓口の着信をとれるようにするかコントロールする機能があります。その機能を利用することで、いくつかのメリットがあります。

■専任のオペレーターをつけることにより対応効率があがる

案内内容が多岐にわたってしまうとオペレーターに膨大な知識量が必要となり、知識が備わっていないオペレーターが対応した場合、確認に時間がかかり対応時間が長くなってしまう事が懸念されます。
そのため、特定の知識に特化したオペレーターを窓口の専任とすることで対応時間の効率化を図れます。

■新人オペレーターの離職防止が期待できる

新人オペレーターには比較的案内が簡単な窓口から始めることで離職防止が期待できます。

例えば、最初は新人オペレーターに「契約の変更」窓口のみを担当してもらい、慣れてきたら「解約」窓口を追加。さらに慣れてきたら「操作方法」窓口を追加というように担当窓口を徐々に増やしていくことで、対応に慣れてもらうことができます。
最初は簡単な窓口を対応してもらう前提なので、オペレーターの心理的ハードルが下がりますし、研修を何回かに分けることによって知識の定着がしやすくなります。

■必要に応じてオペレーターを柔軟に動かせる

1つの窓口の入電が突発的に増えた場合、オペレーターの担当窓口を変更することで柔軟に対応することが可能です。

例えば、キャンペーンに伴い「新規窓口」の入電が増え、担当オペレーターだけでは取りこぼしが出てしまうような状況では、「契約の変更」の窓口の担当者の一部を一時的に「新規窓口」の担当に変えることが出来ます。

窓口を増やすデメリット

■ユーザビリティの低下

窓口を増やすと分岐もふえてしまうので「プランのお問合せは1を、オプションのお問合せは2を、操作方法のお問合せは3を押してください」などの音声ガイダンスを流し顧客に番号を押してもらう必要が出てきます。

顧客に負担を強いるため、ガイダンス中に顧客からの切断が多くなるなど懸念されます。そのため、分岐は少ない方が良いとされています。

■管理が煩雑になる

窓口を増やすほどオペレーターが担当する窓口のパターンが増えていきます。そのため、オペレーター毎の担当窓口の管理が煩雑になり、管理者の負担になってしまいます。

4.窓口を増やす場合の注意点

メリットとデメリットを踏まえて、窓口を増やす場合いくつか注意する点があります。

顧客がどこの窓口に問い合わせるべきかわかりやすい分岐と窓口にする

顧客が「自分の疑問を解決してくれる窓口はどの窓口なのか」がわかる分岐にする必要があります。

例えば、「新規問合せ」「既存問合せ」「料金問合せ」の3つの窓口があり、まだ検討中の顧客が料金を知りたいため電話をします。この場合、「新規問合せ」と「料金問合せ」のどちらを選択すればよいか正しく判断が出来ない可能性があります。最悪の場合、窓口相違でたらい回しにあい顧客満足度が低下してしまいます。

その為、顧客目線の分岐と窓口を作成する必要があります。
どうしても顧客が迷いそうな分岐を作成するしかない場合は、ガイダンスをわかりやすくすることで回避することも可能です。

窓口相違

分岐変更

ガイダンス変更

複数窓口兼任のオペレーターがいる場合は、どの窓口への電話なのかをオペレーターがわかるようにする

複数窓口がある場合、複数窓口を兼任するオペレーターが出てくるか確認をします。
これは、コールセンターシステムにオペレーター向けガイダンス(ウィスパー)が必要か否かを確認するためです。

オペレーター向けガイダンスとは、着信し顧客との会話が始まる前にシステムがどの窓口からの入電なのかをガイダンスで教えてくれる機能です。
複数窓口からの入電を対応するオペレーターがいる場合には、どの窓口からの着信かわからなくなるので、オペレーター向けガイダンスの機能を利用します。

兼任オペレーター

入電呼量や対応時間のバランスを考える

「入電呼量が多い」や「対応時間が長い」のにオペレーター数が少ない窓口が無いように注意する必要があります。

事前にどれくらいの入電呼量なのか、対応時間がどれくらいになるのかがわかっていれば、極端に偏りが無いように窓口を作成してください。

ただし、先ほどメリットでご紹介した「オペレーター毎にどの窓口の着信をとれるようにするかコントロール」機能があれば、適宜担当窓口を変更することで柔軟に対応することも可能なので、入電呼量や対応時間がどれくらいになるかわからない場合でも安心してコールセンターを開設できます。

5.ACD編(次回)

今回は、コールフローを作成する際の窓口の検討方法をご説明しましたが、コールフローの作成はまだ終わっていません。

コールセンターへ電話した際にガイダンスの指示に従って番号を押した後、「ただいま大変混みあっております。このままお待ちいただくか、しばらくたってからおかけ直しください。」と案内が入ったことは無いでしょうか。

これは「待ち呼」と言われる状態です。待ち呼はACDで制御します。

次回はコールフローの作成におけるACDの設定を解説します。
【インバウンド業務】コールフローを作成しよう!<ACD編>

BlueBeanのIVRなら柔軟なコールフローが作成できます!

BlueBeanは、インバウンドもアウトバウンドも対応しているコールセンターシステムです。今回のブログでご紹介した機能は全て標準搭載されており柔軟なコールフローを構築することが可能です。

IVR機能

BlueBeanのIVR機能では、ガイダンスの再生・日/時/曜日による振り分け・顧客操作による振り分けの設定が可能です。

ガイダンスの再生利用例

間違い電話が多いので以下のガイダンスを入れ、オペレーターに繋がる前に顧客に気づいてもらうようにする。
「こちらは株式会社●●です。ただいま呼び出しておりますのでそのままお待ちください。」

日/時/曜日による振り分け利用例

業務時間を平日10時~18時とし、業務時間外にかかってきた電話はガイダンスを再生し切断する。

顧客操作による振り分け利用例

お問合せ内容が多岐にわたるため、以下IVRの分岐とガイダンスを入れ担当部署に着信呼を振り分けられるようにする。
「新規のお問合せは 1 を、契約中のサービスのお問合せは 2 を、その他のお問合せは 3 を押してください。」

BlueBeanのIVR機能については下記のブログでもご紹介しています。
【BlueBean機能紹介】IVRで出来ること

IVR照会

BlueBeanのIVR照会画面

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