コールセンター運用における重要な指標である待ち呼数と放棄呼数ですが、それぞれどのような指標なのかしっかりと理解している方は多くありません。

そこで今回は、待ち呼数と放棄呼数について、その概要や改善方法などを解説します。

日頃から数値管理を担っている管理者の方は特に理解しておくべき内容です。日々の業務に反映できるようしっかりと確認しておきましょう。

1.待ち呼数・放棄呼数はそれぞれどのような指標?

待ち呼数と放棄呼数は、それぞれどのような指標なのでしょうか?各指標の概要を解説します。

待ち呼数(あふれ呼)

待ち呼数とは、コールセンターへ顧客から入電がきているがオペレーターが対応できず、顧客がつながるのを待っている状態を示す指標です。

コールセンターの現場では、繫忙期や新サービスが展開された直後などに発生しやすく、「待ち呼が〇件です」などと表現することが多いです。

待ち呼数が多い状態というのは、迅速な顧客対応ができていないという意味を持ちます。

それを裏付けるように、『コールセンター白書2020』によると、「直近のケースで、コールセンターに不満を感じた理由」を聞いたアンケートでは、「オペレーターにつながるまでの待ち時間が長かった」という回答が33.0%(全体)に及んでいます。
※調査対象:男性(n=100)、女性(n=100)、全体(n=200)
●参考:月刊コールセンタージャパン編集部/『コールセンター白書2020』/株式会社リックテレコム/東京/2020.10.16/P144

このことから、「待ち呼数が多い=顧客の不満が高まる」という事実を認識したうえで、待ち呼が発生しづらい体制構築に向けた施策を検討しなければいけません。

放棄呼数(アバンダンコール)

放棄呼数とは、オペレーターが対応する前に切れた、またはシステムによって自動切電された顧客からの問い合わせ数を示した指標です。

待ち呼数同様、繫忙期や新サービスの展開した直後などの入電数が増加するタイミングで発生しやすくなります。

『コールセンター白書2020』によれば、「最重視しているKPI」というアンケートにおいて、放棄呼率(応答率)が45%を占める結果となっています。

【コールセンター】最重視しているKPI

●参考:月刊コールセンタージャパン編集部/『コールセンター白書2020』/株式会社リックテレコム/東京/2020.10.16/P75

放棄呼率が高まる(放棄呼数が増える)ということは、顧客との接点が喪失されることを意味します。そのため、コールセンターの現場で重要な指標として認識される傾向が強いのです。

2.待ち呼数・放棄呼数が増えることで発生するデメリット

待ち呼・放棄呼 画像①

待ち呼数や放棄呼数がそれぞれどのような内容の指標であるかはご理解いただけたと思います。

では、待ち呼数や放棄呼数が増えることで発生するデメリットとはなんでしょうか?
コールセンター運用にあたえる影響も考慮したうえで考えていきましょう。

待ち呼数・放棄呼数の増加に伴って発生するデメリットには以下が考えられます。

➀顧客満足度の低下

コールセンターに電話してくる顧客は、迅速かつ適切な対応を求めています。

そのため、長時間待たされる・オペレーターにつながらない、などの状態が発生すると、それに伴って不満が高まります。

このような顧客満足度の低下は、コールセンターに対してだけでなく、企業やサービスに対する評判をも低下される要因となりかねません。

「待たされる・つながらない」の状況が発生しないよう対策を講じ、顧客とのコンタクトという最低限の接触が取れる体制づくりが重要です。

②オペレーターの離職や負担が増える

待ち呼数や放棄呼数が多い状況になると、コールセンターの現場では、管理者によって入電先(対応するオペレーターを管理者が選定する)をコントロールする場面がよく見られます。

その際、現場の管理者は、少しでも待ち呼数や放棄呼数を減らすため、短時間で多くの入電をさばくことのできるスキルの高いオペレーターへ対応を振りがちです。

もちろん、運用するうえで大切な判断ではありますが、当のオペレーターにとっては、大きな負担となってしまうのはいうまでもありません。

「なんで自分だけこんなに対応しなければならないのか」というように、オペレーターの中で不満が蓄積されていくと、最悪の場合、離職の原因となるケースもあります。

そのため、特定のオペレーターに過度な対応を求めない、人員配置を見直す、などの対策を講じなければなりません。

 

3.待ち呼数・放棄呼数を改善させる方法

待ち呼数や放棄呼数が多くなると発生するデメリットの内容がわかりました。では、実際にどのような方法で待ち呼数や放棄呼数を減少させることができるのでしょうか?

➀人員の増加・適正配置

待ち呼数と放棄呼数を改善させるもっとも簡単な方法は、対応可能な人員を増やすことです。

オペレーターの数を増員することにより、顧客を待たせる・つながらない、という状況が発生しづらくなり、顧客満足度の低下も防げます。

しかし、人材確保には賃金などのコストが多くかかるのが実情です。

そのため、コールセンターを運営する企業は、人員が必要な繫忙期など限定で「スポット業務」として人員を採用しコストの軽減を図っています。

人員確保だけでなく、適切な人員の配置が可能となれば、待ち呼数や放棄呼数を改善させることができます。

まずは収集したデータを参考にしながら、必要な人員の数や配置状況などの見直しからはじめてみてはいかがでしょうか。

②システムの導入

待ち呼数と放棄呼数を改善させる方法として、システムによる業務効率の改善や、リアルタイムで運用状況を把握できる機能の活用がとても有効です。

機能の中には、オペレーターの業務画面上に現在の待ち呼数や放棄呼数を表示する「待ち呼、放棄呼モニタ」があります。

待ち呼数や放棄呼数をオペレーターの見える形で表示することで、業務に対する意識の向上というメリットが期待でき、少しでも待ち呼数や放棄呼数を減らそうと努力してくれるようになります。

このように、リアルタイムで得られる情報はコールセンターを運用するうえでとても重要です。業務効率の改善や各種分析に必要なデータの収集に重宝するため、ぜひ活用を検討してみてください。

リアルタイムの情報を取得できる機能について解説した記事がありますので、こちらもあわせてご覧ください。

≪おすすめ記事≫
リアルタイムの情報が知りたい!コールセンター運営に欠かせない機能を解説

4.待ち呼数・放棄呼数は顧客との関係を知るうえでとても重要

待ち呼数や放棄呼数は、顧客との関係を知るうえでとても重要な指標です。

「待ち呼数や放棄呼数が多い=待ち時間が長い・つながらない」といった状況は顧客の不満を誘発する要因となるため絶対に避けなければなりません。

人員の増加やコールセンターシステムの導入など、自社の状況にあった解決法を検討し、より良い顧客対応ができるコールセンターを作っていきましょう。

待ち呼・放棄呼 画像②

 

BlueBeanは柔軟な対応が可能

BlueBeanは、インバウンドもアウトバウンドも対応している、コールセンターシステムです。PBX・CTI・CRMすべての機能が備わっており、着信方法も柔軟に構築することが可能です。

BlueBeanのPBX・CTI・CRM機能についてはつぎの記事をご覧ください。
【BlueBeanで出来ること】機能概要

待ち呼・あふれ呼設定

BlueBeanの待ち呼の設定では、お待ちいただいているお客様へ向けて「ただいま、大変込み合っております。そのままお待ちいただくか、しばらく経ってからお掛け直しください。」などのガイダンスを流す設定や、保有する待ち呼数を設定することが可能です。
保有する待ち呼数を設定した場合に発生するのが「あふれ呼」になります。

あふれ呼とは、待ち呼にもなれなかった着信呼を指しています。
BlueBeanは、あふれ呼も細かく設定することが可能です。

例えば、電話をしてもオペレーターがなかなか出てくれなければ、お客様は待ちくたびれて切電(放棄呼)になってしまう可能性が高まります。
こういった場合、「オペレーターが全員埋まっていて、3分たっても空きオペレーターが出ない場合は、別の窓口に転送する。」や「一定数の待ち呼がたまっている状態で、追加で入電があった場合は留守電に転送する。」などの設定が可能です。

待ち呼とあふれ呼の設定の組み合わせで、出来る限り放棄呼を作らないよう構築することが出来ます。

【BlueBean】待ち呼・あふれ呼➀~④の順で入電があり、最大待ち呼数を3に設定していた場合のBlueBeanの挙動

リアルタイムモニタ

BlueBeanは、管理画面だけではなくオペレーター画面でもリアルタイムで待ち呼・放棄呼を確認することが可能です。
また、他オペレーターの状況も確認できるので、「今、対応できるオペレーターが少ないから、休憩を少しずらしてもらおう」や「今は対応出来るオペレーターが多いから、さっきのお客様の履歴を残そう」などオペレーター毎に状況判断をして、対応することが可能です。


リアルタイムモニタBlueBeanリアルタイムモニタ(管理画面)

レポート系

BlueBeanは、各種レポートを出力できます。
日々のあふれ呼数・放棄呼数はもちろん、月単位でのグラフの表示やcsvデータのダウンロードが可能です。

ACDレポートBlueBean作業グループ(ACD)詳細

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